古銭情報 古代の貨幣「無文銀銭」とは
日本最古のお金?無文銀銭とは
はじめての貨幣といわれる和同開珎や富本銭よりも先に製作されていたのが、「無文銭」と呼ばれる貨幣。
しかし無文銭は貨幣として使用されていたのか、それともまじない用に製作されたものなのか、別の用途で鋳造されていたのか未だ研究段階にあり、詳しいことは解明されていません。
無文銀銭の鋳造年代は近江朝時代といわれており、地金の価値で取引が行われていた秤量貨幣と考えられています。
直径は主に3センチ前後で、重さは8~10グラムとなります。
しかし今までに発掘された中で最大の無文銀銭は直径が38mm、そして重量は35.8グラムにも上ります。
出土地域は主に関西に集中しており、滋賀県や奈良、大阪のほか京都や奈良からも発掘されています。
延べ板となった銀を裁断して製作され、真ん中に丸い孔があるのが特徴です。
この孔はいずれも裏面から撃ち抜かれており、和同開珎のような明確な刻印はないものの、「田」のような文字が刻まれたもの、そして十のような印、大や伴と描かれた無文銀銭も出土しています。